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【REPORT】STUDY MEETING 001@21/12/27













(1)ボードメンバー@平尾順平氏(NPO法人ひろしまジン大学 代表理事)




「共創」の本質は何か!? 2021年の年の瀬、12月27日。


「STUDY MEETING 001」と題して、HLLが考える参画のための3つの段階「気づく」「深める」「形にする」の中で、最初の「気づく」のステップにあたる「勉強会」を開催しました。


今回は「オープンな共創のあり方を考える」をテーマに、広島修道大学国際コミュニティ学部の木原一郎さんをテーマオーナーとしてお迎えしました。


HLLとしても「共創」は今後の展開として最も大切にしたいスタイルの一つ。大変興味深くお話を伺いました。


所属しておられる広島修道大学では、地域や企業、団体との連携、コミュニティ・ベースド・ラーニング(CBL)などを担当している木原先生。


同時に、一個人としても広島市の中心市街地活性化の取り組みの一つ「カミハチキテル」の中心メンバーの一人として活躍しておられます。


2部にわけて進行した勉強会の前半は、木原先生からの「カミハチキテル」の事業背景やビジョンの紹介と、そこに込める先生の想いについて。


多くの個人、事業主体が関わって進めていく「共創」というスタイルの可能性と同時に、様々な現場で垣間見えてきたその難しさについて、具体例も交えつつ共有いただきました。


公益に資する事業として「開かれた場」で議論したいと思っていても、各参加企業にとってはビジネス(収益を上げていく)という一面もあり、場を完全オープンに保ち続けることが難しい(進めていくうちに、クローズド化しやすい)という現状。それを踏まえ、木原先生から参加者に対し「オープンな共創の場は、いかにして作ることができるのか?」という問いの提案がありました。


それを受けて後半の全体対話。


木原先生のお話と問いを受けての気づきや自分なりの答えを、参加者全員で発表し共有。運輸、マスコミ、医療、製造など、さまざまな業種の企業人をはじめ、市役所の職員や大学院生から、多種多様な視点でのコメントや意見がありました(画像参照)。


以下はその一部です。


・日本の場合、どうしても個人が肩書に縛られやすい(組織を背負いやすい)文化なので、共創とはいえ自由な発言、開かれた場の維持が難しいのではないか。

・夢(ビジョン)は大きく持ちつつも、多様な関係者が主体となる場では、やはり小さな実践(成功体験)を積み重ねていくしかないのでは。

・全員でビジョンをしっかりと共有し、バックキャスティングで今取り組むべきことを考えていく必要がある。

・リーダーとなる人には情熱とスキルの両方が必要

・カミハチキテルのスタンドが素敵でコーヒーを飲んだが、事業の背景や目的は知らなかった。

・共創と言いつつ、さまざまな理由から市民は排除されがちなのではないか。

・個人として共創の場に参加すると「give」の姿勢でいられるが、組織(企業)として参加すると「take」しなければという姿勢になってしまう気がする。

・企業が自社にとっての利益を考えて共創に参画するのは当然。オリンピックのような大イベントも、関わるスポンサー企業などのインセンティブを個別に考えたうえで、全体が構築されている。

・共創は目的ではなく、あくまでも手段。何を成し遂げたいのか、なぜ共創という方法を選択するのかを常に明確にしながら進める必要がある。

・事業を推進していく以上、中心(最終責任を持ち、進めていく力)は必要。中心無き共創では進まない。


などなど、それぞれの経験に基づく示唆に富んだコメントが数多くなされ、さらに学びが深まりました。


最後に木原先生から各コメントへのフィードバックをもらって勉強会は終了。


私個人としても「共創」という一見すると、とてもポジティブな言葉の向こう側に存在する、現場のリアルや、共創という名のもとに行われる責任回避や責任分散などの負の側面についても考えたいと大きな示唆をいただきました。


ご参加いただいたみなさま、木原先生、年の瀬のお忙しいなかをありがとうございました!



(2)参加者@高山大心氏(広島市立大学 国際学部 大学院生)



Living Labのスタディーミーティングを終えて、「ワクワクした」というのが率直な感想です。


様々な肩書きをもつ人が集まり、ひとつの問いについて対話するというのがスタディーミーティングの魅力のひとつとして紹介されていました。


今回は「オープンな共創のあり方を考える」というテーマについて様々視点から対話が繰り広げられ、個人的には終始ワクワクしていました。


肩書きが違えばこれまで経験してきたことも違う、経験が違えば価値観や物事の見方考え方も違うということで、対話の時間は様々な考え方が共有される場となり、「この人はどんなこと言うんだろう」「あの人はどんな風に考えてるんだろう」といったように楽しみながらオープンな共創のあり方について考えることができました。


様々な人との交流というのは貴重な経験だと思うので、今回学んだこと・体験したことを自分自身の生活の中でも生かしていきたいです。



(3)テーマオーナー@木原一郎(広島修道大学 国際コミュニティ学部 准教授)



この感想の文章を1から書き直すこと、すでに6度目です。


テーマオーナーという名の相談させていただく貴重な機会をいただきありがとうございました。2021年の総括もできました。またみなさまからご感想やアドバイスを頂戴できたこともありがたく存じます。とても有意義な時間でした。


一つ、一つの対話が日常業務やふとした場面で思い返され、自分の中でも理解が深まっていく感覚があります。どうやったら「オープン」な共創の場ができるのか、色々と戦略を練って試していきたいと思います。そのための仮説も今回を通して持つことができました。早速HLLの掲げる好循環を身をもって実感しています。


さて頭の中は今でもぐるぐる回っています。


日々の取り組みの目的、やるべきこと、やらなければいけないことは変わらないのですが、自分の役割は自分の中で勝手に変わった感じがあります。


自分の立場や役割からできることが何か、その自覚を持って取り組んでいきたいと思います。その過程の中では必ず「オープン」な共創の場が必要な時が出てくるはずです。その時はまた相談に乗ってください。


引き続きHLLでもよろしくお願いいたします。


(写真:おだやすまさ






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